:「古田式」(周防正行/古田敦也、太田出版)
『Shall We ダンス?』の周防正行監督とヤクルトの古田敦也選手の対談本。周防氏はヤクルトの大大大ファンらしい。対談形式のインタビュー本ではあるのだけど、周防氏の思い入れが強くて、ちょっと気持ちが引いてしまうところもある。
何度か読み返すことのある本に、「勝利のチームメイク」がある。これは、ラグビーの平尾誠二氏とサッカーの岡田武史氏と古田選手がそれぞれ二人ずつの組み合わせで勝つために必要な要素についていろいろと話す、という内容なのだけど、これはすっごくおもしろくて、仕事上でもヒントになるようなことがあって、気持ちが萎えそうになるとよく読む。
こちらの本の場合は、全員がそれぞれのスポーツにおいてプロフェッショナルであり、3人ともチームの戦略に関わる立場にあり(古田選手は監督ではないけど捕手ですから)、かつ他のスポーツにも造詣が深いという条件で、何がおもしろかったかというと戦略を考えるっていうのはこんなにおもしろいのかーと。それにこの3人は冷静にしゃべっているので、いろいろな視点があっておもしろかった。
「古田式」の場合は、そこまでのおもしろさはないのだけど、古田から見た日本のプロ野球、というのがかいま見えてそれはそれでおもしろかった。今から3年くらい前の本なので、ちょっと状況も変わっているところはあるけれど。
野球なら捕手、バレーボールならセッターなど、そのゲームの組み立てをする人たちの話は他のポジションの人とはちょっと違ってて私は好きだ。