晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

演劇集団キャラメルボックス「猫と針」@俳優座劇場

恩田陸が初めて芝居のホンを書く、というこの芝居。
俳優座ロビーにはずらりと出版社からの花かご。ちょっと珍しい雰囲気。


「人はその場にいない人の話をする」というキャッチコピーと、喪服の5人の役者のチラシにはいろいろ想像を掻き立てられましたが。


もんのすごい、「恩田陸」!な芝居だった。恩田陸の小説を読んでいるときの、心の中がなんかざわざわする感じがそのまま三次元で目の前に出てきました、みたいな。みんな誰でも心の中に黒いところを持っていて、人によってその表出の仕方が違うんだけど、そんな恩田陸ワールドがまんま立体的に見られる感じ。
舞台セットがシンプルだったから、よけいにそういう人間の中身みたいなものが生々しく感じられたようにも思う。
キャラメルボックスの芝居、として見ないほうがいいんじゃないかな。キャラメルボックスの役者もこんなことやるんだー、というような受け止められ方はちょっと心外なんじゃないでしょうか?>岡田Pは。


石原くんは以前からちょっと謎な役者だった。キャラメルの本公演ではあんまり目立たないし。何に出てたっけ?と思い返して、すぐに思い出せない。前説要員でもなかったように思う。
が、今回彼は私の中で「今後要チェック」な役者さんになりましたよ。この人、まだ何か持ってる。見えるところだけが彼の全部じゃない気がする。もっといろいろ見せてよ、って感じ。次はどんなことをやってくれるのか、楽しみにしていよう。


あとは久しぶりに綾ちゃんを堪能。キャラメルだとどうしても声に力が入った芝居になってしまうけど、「猫と針」では「ふにゃあ」って感じのしゃべりで、そこが逆にちょっと怖くて、よかった。この人ももっと外に出てやってほしい人。


上川くんが先鞭をつけて、次に細見くんがそうなって、今は西川さんもそんな感じだけど、所属はキャラメルボックスでも劇団外の芝居にばんばん出て、でキャラメルでもいい芝居見せて、って感じに男優さんたちはなっている感じですね。岡田氏、大内氏もそんな感じだし。女優さんたちもそうなっていいと思うんで、ぜひ綾ちゃんにはその道を進んでいってもらいたいなあ。
三上艦長なんかを見ていて思うけど、外でいろんな役をやるからこそ自分のホームグラウンドで自分たちのやりたいことを楽しんでやれているように見えるし。そんなキャラメルを見てみたいもんです。