晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

忙しい……

よく、「忙しいという字は心を亡くすって書く」というけれども、それは本当だなあと思う。今、まさに心を亡くしてるって感じ。
20代の頃は忙しいの、全然平気だった。むしろ大歓迎だったように思う。非常事態大好き、燃える!子供の頃の、台風が来る時に似た感じがして、よっしゃー!って吼えながら働いていたもんです。
徹夜こそ厳しくなったけど、6〜7年前まではまだそんな気持ちが残っていたように思う。厳しい現場を乗り切れる力がある、って手応えを感じると、「わたし、まだイケるかも」って思えたし。


でも、今はちょっと違うな。
脳みそのしわがつるんつるん、なのがよくわかる。しわがないから知識や経験がしみこんでいかないような。体が拒否しているのかもしれない。この感じ、初めて経験するわけじゃない気がする。日本語教師を辞める直前の頃もこんな感じだった。ぞうきんが乾いて、もうどんなに絞っても一滴の水も絞れない感じ。なんにも考えなくてもそれなりの仕事はできるけど、伸びしろゼロ、みたいな。ずっと辞め時を探しているような。


あの頃と違うのは、そんなに簡単に仕事を辞められないこと。
まあ、当時も辞められなくてずるずると働いていて、たまたま学校が売り飛ばされたことをきっかけにいろいろ揉めて、そうこうしているうちに偶然次の仕事が見つかったから辞めたんだっけ。
今回は同じわけにはいかない。結婚しているからといって、とりあえずしばらく休みます、旦那に食わせてもらうという発想はないし、………正直、「自分の収入がない」って生活が怖い、想像がつかなくて。
だからつらいことがあると心の目にフタをして、何も考えないようにしちゃってるのかなー。それで脳みそがつるんつるんなのかもしんない。


うちの夫婦は読売新聞日曜版の連載まんが「あたしンち」のファンなのだけど、こないだの回(#615)はちょっと心に痛かった。
主人公の女の子「みかん」が友達のしみちゃんと進路について話している場面。
「私はね〜 できたらだけど 美大とかに行って
テディベアの作家になって(みかんは通っている高校でテディベア研究会、通称ベア研に入っている)
本とか出して 食べて行けたらな〜って思うんだけど」
っていう台詞があって。


う。
ちょっと前まで私も同じこと考えてたよ。
ニット作家になって暮らしたい〜〜〜、とか!
私は高校生女子と同じレベルなのか!?


でもなあ。今年はいろいろなことを考えることがあったわけです。
人間、いつかは死ぬ。理由はいろいろあるにしても、永遠に生き続ける人はいない。
それならば、自分の人生、自分らしく生ききってみたいと思う。
うちの母の人生は、解釈はいろいろあると思うし、本人からすれば悔いも残るであろうけれども、私はお見事な人生だったと思う。若い頃はうまくいかないこととかいっぱいあったけど、いろいろな人から惜しまれる人生だった、ってすごくうらやましい、我が母ながら。


自分はそんな風に生きているだろうか?と思うとはなはだ疑問。
外ではちょろっとした役職についてたりして、人からはえらそーな会社員に見えるかもしれないけど、実際は自分の面倒もちゃんと見切れていないし、家族もおろそかにしているし。
かといって会社の自分のチームがうまくいっているかっていうと、全然そんなこともなくって、毎日がっつり様子を見ないといけないような毎日。そんな感じで日付が変わるまでに家に帰れない日々が続いてたら、いつのまにか旦那が体調を崩していた。


よっぽどのことじゃないと体調が悪いなんて言わない、自分の配偶者が体調を崩していてもあれこれ世話を焼くこともできないって、いいのか、それで。家族なのに。別に、私が養っているとかいうわけじゃないのに、なんでこんなにひっちゃきになって働いているんだろう、って、ちょっと白々した気持ちになってしまった、今日。


40代も半ばになってまだこんなこと考えるなんて、幼すぎるんだろうか、自分。
でも、今、仕事ってなんだろう、ってすごく思う。
身の丈にあっていない生活をしているんじゃないだろうか、私。
会社の中でせめぎあいながら働くのに少し疲れているのかもしれない。


実は明日、また実家に帰ります。母の百か日法要。
結婚してから1年に1回帰るか帰らないか、って感じだったのに、この半年でものすごく帰省している。そうすると、田舎の時間の流れが自分の体の中に入ってきて、ちょっと混乱しているのかもしれない。
東京とは全然違う、スピード。でも、生まれてから20年以上を過ごした身には、なつかしい時間の流れ。


明日の夜は、大学時代の同級生とたぶんごはん。仕事が終わった後、博多に行くという彼女と出発までの短い時間だけどちょっとご飯を食べるつもり。
彼女も仕事を持っている既婚者。ちょっと元気をもらってこようかな。いつもと違うところで、いつもと違う人とおしゃべりして、リフレッシュできるといいな。