フランス語の朝、中国語の夜

　朝、いつものようにバスに乗った。
　ひとつめのバス停に止まっている時に、私の後ろに座っているらしい男性が、「あろー？」と外国語らしい言葉を話し始めた。何語？何語？……フランス語？
　そしてその男性は駅に着くまで、携帯電話でずーーーーっとフランス語で話していたのだった。雀荘たぬの前をフランス語のマシンガントークを浴びながらバスで通過する。シュールだねえ。


　夜、西武新宿駅の、大ガード前辺りの広場の辺で、ワゴン車がメロンパンを売っていた。あんまりいいにおいなので、明日の朝ご飯用に買おうと思って列に並んでいたら、うしろからひそひそ声が。
　「麺飽……」「…麺飽…」「……麺飽」
　うん、そうだよ。パンだよ。でも、メロンパンって名前は知らないか。
　彼は自分の番になると、指を一本突き出してパンを指さし、そして身振りで「１個」と伝えていた。
　…指一本でパンを買っていく男。


　帰り道、地下鉄の高田馬場駅のいつもとは違う入り口から入っていったら、なぜか通路なのに警備員の人がふたり。駅貼りポスターの左右を固めている。
　なんだろう？と近づくと、かすかに音がしている。


　これの宣伝ポスターでした。
　ポスターなんだけど、現品が貼り付いている？とでも言うのか……とにかく、ポスターに本物のPSPがくっついているのでした。
　うーん、それじゃ確かに警備員が必要ですなあ。しかし、金のかかった宣伝だこと。