晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

「柔道龍虎榜」

 ジョニー・トーの映画、というだけでみんな期待の高かった、「柔道龍虎榜」。
 だって、「眞心英雄(ヒーロー・ネバー・ダイ)」で「鎗火(ザ・ミッション〜非情の掟)」で「PTU」ですよ。「大事件(ブレイキング・ニュース)」は未見なので何とも言えませんが、こう来ると、やっぱり期待してしまうではありませんか。ねえ。


 まあ、この世のいろいろなWeb日記で語られると思うので、あらすじについては割愛。
 見終わった感想としては、小ネタはおもしろかったけど、うーん、感想に困る。
 思うに、ジョニー・トーの「台詞は少なめ主義」(そんな主義なのかどうかわかんないけど)が裏目に出てしまったような。
 なぜ、かつては「柔道小金剛」とまで呼ばれた司徒寶(古天楽)は、酒びたりの落ちぶれた生活になってしまったのか説明があってもよかったんじゃないの、とか、柔道への情熱を取り戻してから李亜岡(梁家輝)と勝負するまでの経緯をはしょりすぎ、とか、だいたい李亜岡って宿敵なのか、単なる「今のいちばん強い人」なのか、司徒寶にとって李亜岡ってどういう存在なのよ、とか、わかんないことが多い。「たぶんこういう話だったんじゃないの」という仮説を作り上げることは可能なのだけど、そんな風に観客にお任せしようとしてるのかな。それにしても、梁家輝が強く見えないのはどうかと思うが。


 最初の出演者一覧を見て、「ふーん、グラスホッパーの兄が出るのかー」と思って見ていて、途中で「あー!!」と叫びそうになってしまいました。いいのか、あれで、蔡一智!ムイ姐さんが草葉の陰で……泣いてはいないか。案外喜んでいるかもしれない。
 それよりも、見終わってからも気がつかなかった高捷。よくよく考えれば、台湾から来たお父さんってところで気がつけばよさそうなものですが、高捷=ヤクザという公式が私の頭の中にはすでにできあがっており。あんな実業家の高捷なんて高捷じゃなーい!(笑)
 古天楽はいいね。とりあえず、古天楽は安心して見てられます。いつも。アーロンもあれは適役だったんじゃないのかな。脇役に徹してて。台詞が少ない役だったけど、アーロンの存在がよく効いてたと思う。


 終映後、ティーチ・インがあり、今回は進行がいっちーだったのだけど、なんかいつもの毒気がなかった。「私が質問すると後で何を言われるかわからんので」とか言っちゃって、どーしたいっちー。