「百年の誤読」
- 作者: 岡野宏文,豊崎由美
- 出版社/メーカー: ぴあ
- 発売日: 2004/10
- メディア: 単行本
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最近、トヨザキさんの本を立て続けに読んでるな、わたし。
この100年のベストセラーを振り返る、という本です。
「友情」はトンデモ本だ!という主張に、激しく同意。ってゆーか、高校生の頃漠然と感じていた違和感をすっぱり言葉に表してくれてすっきり。ぜったい変だよ、あの話。実篤先生には申し訳ないけど。
うちはへそ曲がり夫婦なので、いわゆるベストセラー本をちっとも読んでません。「世界の中心で愛を叫ぶ」とかもちろん読んでない。
「ねえねえ、『電車男』ってちゃんと読んだ?」
「読んでないよ。あれ、アスキーアートの見本帳だろ?」
などという始末(笑)。でも、買ってきたのは自分でしょ、読んでないの?(id:yizi:20041101)
本を作る仕事をしている身としては、「あれ、ログ打ち出しただけじゃん」という怒りがあるらしい。
「電車男」。私は本では読まず、まとめサイトで読んだけど、なんか違和感があったな。
おたくな男の人がある日女性と知り合って、恋愛のチャンスがやってきたけどどうしていいかわかんないんで、ネット仲間にSOS、ネットの人たちがあーだこーだと盛り上がって二人の恋を成就させました。という筋そのものはいいんですけど。だって、女性に縁のない男性が、いざそういう時が来たらどうしていいかわからない、ってことはあるだろうし、ネットの知り合いってバーチャルな関係でも親しくなるときは親しくなるし。
それよりも、私はこの「エルメス」という女性の存在が理解できない。電車の中で酔っぱらい男性にからまれそうになったのを助けてもらったことに対するお礼として、エルメスのティーカップを贈る女性。
その後のいろんなエピソードの一つ一つに「……そんなことする女、いるか?」といちいちつっかかりを覚えてしまうのでした。
よっぽど「電車男」さんがすってきーな人で、絶対ゲットしてやるぜ!くらいの勢いですよ、エルメスさんのいろいろは。
本の「電車男」はめでたしめでたしで終わっているけど、その後の後日談をネットで拾い読みするとちょっとげんなりするなあ。天然だとしてもほどがあるんじゃないかしらん。
まあそんなわけで、私もあまり夫に「読め!」と強くは勧めないのであった。