野口聡一「宇宙日記」
昨年、念願かなってスペースシャトル・ディスカバリー号で宇宙へ行った野口さんの本。
野口さんというと「夢がかなった人」というイメージだけども、興味深かったのはコロンビア号の爆発事件があったためにシャトル計画が中止になり、なんども打ち上げが延期されてしまった時の心理状態だった。打ち上げがあるかどうかわからないのに、訓練だけは続いていく日々。コロンビアに乗っていた仲のよかった飛行士の死、ともすれば目標を見失いがちな日々を、熱くなるわけでもなく淡々と、でも着実に経験値を積み上げていく。
飛行中の日記よりも、こちらのほうが人間味があってよかったなあ。
まだ現実的な金額ではないけど、宇宙旅行も一応は商品化されている。
もっとこなれた金額になって、死ぬまでに行けるかなあ。地球を外から見てみたいなあ。
……って、飛行機に5時間乗るだけで泣き言を言う人間が、大気圏の外なんて行けるのだろうか。