晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

演劇集団キャラメルボックス「賢治島探検記」@シアターモリエール

「賢治島探検記」、再演。初演も観ましたなあ。でも、初演時に出ているのは坂口理恵だけ。今回は新人中心公演の印象。で、ベテラン勢をサポートにつけている、という感じですかねえ。新人くんたちにもチャンスがないとね。


と思ったのだが。シアターモリエール(初めて行った)はとてもとても小さい劇場で、役者が近い。そして「賢治島探検記」はキャラメルが阪神淡路大震災の経験から「路上でできる芝居を」という趣旨で作った芝居で、セットや音響で盛り上げる芝居ではない。
というわけで、役者の力量がもろに出てしまう芝居なのだった。


途中、石川寛美(久しぶり!)が「演技力が足りんね」という趣旨の台詞も言っていましたが(笑)、やっぱり長く鍛えている役者は違うんだねえと思いましたね。まず何よりも体力が違う。走り回っているうちに若手は台詞に息が混じり始めるのだけど、ベテラン役者たちは息も上がらない。しんどいのはしんどいのでしょうが、台詞はきちんと回す。
後は、自分の見せ方をよく知っている。舞台空間をうまく使えている。
新人くんたちにはいい勉強になったんじゃないかなあ。あ、でもプログラムで、筒井くんの名前の後ろに(新人)って着いていましたが、新人なんですかあ?(笑)


今回の狂言回しは畑ボン。この人も長く加藤さんと前説をやっていたように思いますが、いい役者になりましたねえ。
でも、ジョバンニはちょっと違うような気がする。岡内カムパネルラ+畑中ジョバンニ、というのは最近のファンのみなさんにはよかったと思いますが、私は初演の菅野@虫くん、の方がしっくり来ます。カムパネルラは藤岡宏美だったんじゃないかな。違う?でもこの組み合わせならしっくり来るなあ。


今回うれしかったのは、「雪わたり」が取り上げられていたこと。宮沢賢治の中でも大好きなお話なので。ちなみに私が好きな宮沢賢治は「雪わたり」「注文の多い料理店」「どんぐりと山猫」「セロ弾きのゴーシュ」そして、「グスコーブドリの伝記」。ブドリは何度読んでも泣けます。虫くん主役でやってくれないかしらん、「グスコーブドリの伝記」。