晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

「台湾桃園国際空港」

チャイナ・エアラインを利用して台湾に行く際に、着陸の際に流れるアナウンスは「当機はただいま蒋介石国際空港に着陸いたしました」だったが、日本アジア航空等だと「台北国際空港」だったような(うろ覚え)。その空港は9月6日から「台湾桃園国際空港」に名称が変わった。


http://japanese.rti.org.tw/Content/GetSingleNews.aspx?ContentID=21578


日本でも少し前に「新東京国際空港」から「成田国際空港」に名称変更した例があったが、台北の場合はどうしても政治的な意味合いを推測してしまう。なんたって、「蒋介石」なので。


夏休みを台湾で過ごしていた時、確かにこのニュースはテレビでも流れていた。ただその時は、9月6日に法案が提出されるんだと思っていたのだけど、9月6日に認可されるというニュースだったのね。
テレビの画面に出てきた蘇貞昌行政院長は「桃園にあるから桃園国際空港ってことで問題はないと思う」と言い、桃園県長は「我々としては喜ばしいです」みたいなことを言っていた。ただ、馬英九は「長年蒋介石国際空港で親しんできたものを変えると言うのはいかがなものか」みたいなことを言っていた。


台湾の過去の経緯については上っ面しかわからないので、あまり深いことは私にはわからない。が、本省人外省人の溝と言うのは意外と深くてなかなか埋まらないものなんだなあ、と感じる。
香港芸能にはまり始めた頃、ちょっと不思議に思ったのが「籍貫」という項目だった。芸能人のプロフィールによく記載されているのだ。「19XX年香港於生」の後に、張學友なら「籍貫:天津」、周潤發なら「籍貫:広東」と言う風に。日本の芸能人プロフィールに、出身地はあっても本籍まで書かれているのは見たことがない。中国人にとって父祖の地がどこなのかということはものすごく重要なことなんだなあと思っていた。


が、台湾の芸能人の場合、この「籍貫」を言う人と言わない人がいるように思う。それは単にたまたまそこまで書いているかどうかの問題かもしれないし、本人の主張ではなく周囲の(マネジメント会社だったり、テレビ局だったり)思惑なのかもしれない。が、どこかに「ここは父祖の地ではない」という気持ちがあるのかなあ、と感じたりもする。このあたりの感覚については実際には中国人の友人に聞いたことがあるわけではないので、本当のところはわからないのだけども。


ニューヨークにJ・F・ケネディ国際空港が、パリにシャルル・ド・ゴール国際空港があるように、台湾に蒋介石国際空港があってもいいじゃないか、という人もいるだろう。
成田にあるから成田国際空港、桃園にあるから桃園国際空港という名前でいいじゃないか、という人もいるだろう。


月並みな感想だけど……難しいですね。