晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

順番、ではあるけれど……

先週、実家の母から千葉県内に住む叔父が、かねてから病気療養中だったのだがかなり危ないらしい、という連絡があった。
かねてから、とは言うものの、実はその話を聞くのは初めてだったので、いきなり母親が「おじさんねえ、ケアセンターに入るんだって」と切り出すのに若干面食らった。それは認知症なのか、それとも別の病気なのか?
母に話を聞いてもはっきりした話はわからないのだけども、どうも叔父はガンであるらしい。そしてかなり衰弱しているらしいと。お見舞いに行こうか、とも言ったのだけど、叔母(母の妹)も「あまりにも見た目が変わってしまって本人も辛いと思うので来ないで欲しい」と言っているとのことだったので、何かあったら連絡してね、と言って電話を置いていた。


今日の昼過ぎに妹から携帯に留守番電話が入っていて、今朝亡くなったとのこと。


夜、家に着いてから実家に電話すると、明日がお通夜で明後日は葬儀である、と伝えてくれた後、「だからお母さんねえ、明日行くから」。
……えーと。確かあなたは今、抗ガン剤の治療中なのでは?そして、白血球の数値が上がらないために2クール目の治療を遅らせているのではありませんでしたっけ???


「まあ、ゆっくり行けばいいでしょ。あしたそっちに13:30頃着く新幹線で行こうと思って」
とか言っている。
「でもさ、東京駅からどうやっていくか、わかってる?そんなにないよ、特急」
「あら。そんなに走ってないの?」
「じゃ、調べてからもう一回かける」
で、ネットで調べてみると、特急は一日に6本しかありません(笑)。しかも、母の到着後いちばん早いのは13:40。その次は15:00台。
「あら、じゃあそれに乗ればいいのね」
「……新幹線からだと乗り換え厳しいよ、10分じゃ。だって場所わからないでしょ?」
「んー、でも駅員さんに聞いて行けばいいんじゃないの」


いや、不慣れなあなたに10分乗り換えは絶対無理!
しかし、私もその時間は来客があって、会社を出られない……、が、一人で行かせるのは超不安。


なので、母を説き伏せて、その一本後の特急で行ってもらうことにして、とりあえず明日は半休させていただくことに(まだ上司に言ってないけど)。
10年前ならいざ知らず、今や立派な「年寄り」となってしまった母(しかも体力落ちてるし)を東京駅でさまよわせるわけにはいかんです。


それにしても、人の話をちゃんと最後まで聞かないし、自分にわかる部分だけしか説明しないし、なんだかすっかり母親はおばあちゃんになってしまって。人は生まれた順番に年を取っていくものだし、しかたのないことだとわかってはいるけれど、若い頃あれだけ聡明でしゃきしゃきしていた人だったのに、と思うとなんだか切ない。
個人差あるんでしょうけど。日野原重明先生とか見てると、年寄りもいろいろだなあと思うし。
でもうちの母はこの一年くらいでがくっと年を取った感じがする。病気の方はその年齢のおかげで進行がとっても遅いのでいいんですが。
前回話した時は、「抗ガン剤の治療開始が遅れている。もしもの際に自分が行けないこともあると思うので、その時はあんたが行ってね」という話だったのだけども、明日来るということは結局治療は遅れたままなのだろう。……人の葬式出てる時じゃないだろう、と思うのだが、うちの母親はこうと決めたら絶対に押し通す人なので、せめて後からついていくぐらいしかできそうにない。だいたい今晩電話したときにはすでにキップ買ってたしな。まあ親孝行だと思ってあきらめます。