「コンフィダント・絆」@パルコ劇場
ソワレ、D列。
パルコ劇場の三谷幸喜、さぞやチケットは取りにくかったでありましょう。旦那さんに感謝。
書き下ろし(だよね?)のこの作品は、19世紀のパリを舞台に、芸術家の間に友情は成立するのか?をテーマにしている。登場人物はゴーギャンとゴッホ、スーラ、シュフネッケル、そしてモデルのルイーズ。きっかり5人。
役者はゴーギャンが寺脇康文、ゴッホが生瀬勝久、スーラが中井貴一、シュフネッケルが相島一之、ルイーズが堀内敬子。
三谷脚本らしい笑いが楽しめる前半から、後半に向かうにつれて笑えなくなってしまう……うーむ。
才能と嫉妬と傲慢と凡庸がどんどん渦巻いていく。果たして彼らの間に友情はあったのか。
キャストはみんなよかったなあ。
中井貴一も生瀬勝久も相島一之も堀内敬子もよかったんだけど、強いてあげるなら寺脇康文。なんかずっと「王様のブランチ」を見ていたせいか、ああいう人かと思っていたんですけど、よかったよぅ、ポール・ゴーギャン。なんでも器用にこなして世渡りもそこそこうまいはずなんだけど、ゴッホに対する屈折が……「意外によかったよ、寺脇康文が」って言ったら、旦那さんに「そりゃそうだよ、S.E.T.だよ?」と言われてしまった。ああ、そうでした。失礼いたしました。
登場人物の中で誰にいちばん胸が打たれるかというと、やっぱりシュフネッケルだろうか。絵が好きなのに、みんなのことが大好きなのに、みんなと横一列だと思っていたのに、いちばん才能のない男。
才能があるって残酷だ。
もう一回見たいなあ。でも前売り完売当日券なしなのね。うう、残念。