晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

「ワーニャ伯父さん」@池袋あうるすぽっと

「子供のためのシェイクスピア」をやってる華のん企画が最近取り組んでいるチェーホフシリーズの一環と思われる今回の公演。山崎清介演出。
なんとなく語感から、温和な初老のおじさんの話だと思っていたら、全然違いました(読んでいないのがわかりますね)。


ワーニャ伯父さんは木場勝己。姪のソーニャは伊沢磨紀で、エレーナは松本紀保
原作ではワーニャは47歳という設定らしいが、今作品では50代になっていた。50代でも初老という感じはないんだけど、まあそれはそれとして、まだ全然現役(笑)という感じの伯父さんでした。義弟(とはいえ、ワーニャよりはかなり年上)の後妻のエレーナにガンガン色目を使うし、かっとなってピストルを持ち出したりするし。でも、憎めない、自分に正直な魅力的な伯父さん。木場勝己って色気がある役者さんなんだなあ。少年みたいで頑固親父で、きれいなお姉さんに弱い(笑)。ソーニャのお父さんの大学教授が傲岸不遜な人なので、この舞台を観た人はみんなワーニャの味方になる気がする。
ワーニャの友達(?)で医師のアーストロフ先生を小須田康人。コスコスを久しぶりに観た気がする。……もしや、2年ぶり?(前回→http://d.hatena.ne.jp/yizi/20070106#p1
口ばっかりで実際には手が出せないワーニャと違って、アーストロフ先生は口八丁手八丁で人妻エレーナに迫ります。「明日の2時に、森のバンガローで、ね」とか言っちゃって、ワーニャがエレーナのために薔薇を摘んで花束を作っている間に、ちゃっかりキスもしちゃうもんね。ストレートに生きるしかないワーニャと、相手によって言葉や態度を変えてうま〜く生きていくアーストロフ先生の違いがよく出ていました。
エレーナはどういう人なのか、今ひとつわからず。田舎では暮らせない根っからの都会人なのか、旦那の言うなりになって生きていくしか出来ない人なのか、人には貞淑な妻のように見せながら実は恋多き女性なのか、よくわからん。そこがもっとはっきりするとよかったかなあ……。


さて、山崎清介演出といえば「子供のためのシェイクスピア」。今年はいよいよ、「マクベス」です。あの話をどうやって子供向けに見せるのでしょう。でも、「きれいはきたない、きたないはきれい」とかそういう台詞回しは子供は好きそう。
あと今年の後半には、新国立劇場で「ヘンリー六世」三部作が(http: //www.nntt.jac.go.jp/release/updata/20000543.html)。まさか一日通しとは思わないんだけど、新国立のスケジュールでは3本とも「10月〜11月」になってるんで、どうやってやるんだろう……。新国立と言えば、一昨年やった「夏の夜の夢」を再演します。メンバーはほとんど変化なしっぽいです。