晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

「ターミナル」@新宿プラザ劇場

前売り券は昨年のうちに購入しているにも関わらず、もうそろそろ上映期間も終わろうかという今日になって見に行った我々(笑)。
ハリウッド・メジャー映画が苦手な私としては「スピルバーグトム・ハンクスでしょぉ?」とか思っていたのです。テレビのスポットCMでも「泣けました」とか言ってるし、トム・ハンクスがうるうるしてるシーンばっか流れるし。


でも、おもしろかったです。ええ。
オタク志向の方と収集癖のある方でしたら楽しめること請け合い。


お話としては、東欧のある国からやってきたビクター・ナボウスキー(トム・ハンクス)がNYに到着したとたんに故郷の国で政変が起き、入国ビザ取り消し。彼の持っていたパスポートは前政権のものなので無効となり、国に戻ることもできなくなり、行き場のなくなった彼はアメリカ入国できる日を待ちながら、JFK空港で暮らし始める、というお話。


9ヶ月も暮らしているので、その間に友情ありロマンスもありと話は発展していく。
で、なんも考えずに見ていたのだけど、あるシーンを始まりに「え、これはひょっとしてオタク向けのクスグリ小ネタ満載の映画?」と思わせられていったのだった。


ケータリング・サービスのエンリケは入国管理官のトーレスが好き。彼は毎日審査のためにトーレスのもとに通う(そして毎日「入国不可」のスタンプを押される)ビクターに残り物の機内食を分けるのと交換条件に、トーレスの情報をもってくるように頼む。


で、毎日「恋人はいるのか」とか「趣味はなんだ」とか聞かせるのだけど、ある日「休日は何してるの?映画とか?コンサートとか?」という質問に対して、彼女の返答は、


「大会(コンベンション、とご丁寧にルビが振ってある)」


……こいつオタクだーーーー!(笑)


コンベンションって何の?オタコン?(アメリカにはオタクコンベンションという日本のマンガやアニメのオタクのみなさんが集まる年次大会があるのだよ)
いずれにしてもこのお嬢さんは入国管理官の顔ともうひとつ、まったく別の顔があることが判明。
このあたりから映画の本編とは別に小ネタさがしを始める私。


「大会に行くんだってさ」と聞かされたエンリケが叫ぶ。
「彼女、トレッキーだ!」
……トレッキーっていつから普通名詞になったんだ(笑)。わかんない人もいるだろう、「トレッキー」だけだと。つまりエンリケトレッキーなんだな、きっと。自分が好きになった「高嶺の花」と思っていた彼女が、実は自分と同じものが好きなオタクだったと知った時の喜びを全身で表しておりましたよ。


その他、いろいろと小ネタはあるのだけど、「スピルバーグ!君は出自を忘れていないんだね!」という感じ。


※ここから以下ネタばれあり。観覧予定の方は飛ばしてお読みください-----


なぜビクターはアメリカにやってきたのか?
父との約束を果たすため?


我々夫婦は見終わった後同じことを思っておりました。
そんな美談じゃないぞ、あれは。単純に、


コンプリートしたかったからだろう(爆)


あと1枚なんだよ。あの写真はビッグ・ピクチャーといってジャズ界でもすごい写真として伝説になっている写真らしい。そのメンバーのサインを集めつづけて56枚。あと1枚でコンプリートする!
そりゃー、行くさ。コンプリート欲です、あれは。


やー、別の意味でおもしろかった。もう1回見てもいいな。