わが家のある一帯は近所に大きな公園があったり、神社やお寺があったりする関係上、都心とはいえ非常に緑豊かな地域である。住んでいる身からすれば大変喜ばしいことではあるが、それゆえに朝からセミのみなさんがかまびすしい。朝、覚醒して目を開く前にセミのみなさんの声を聞いて「……今日も晴れか」と思うのが日課である。
セミの人生を思えば「高らかに命の尊さを歌え!」と思わなければならないのだが、しかし、ミンミンゼミの「ミーンミーン」やアブラゼミの「ジジジジジジ」を聞いていると暑さが倍増で感じられてしまうのであった。