晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

「単車上路」

あいかわらず台湾映画をやっていない台北ですが、珍しく今回はやっていたので見に行ってみる。林森北路の欣欣晶華戯院、16:00。


ふとしたことから町の雑貨屋(たばことかお酒とかを売っているよろずやみたいな店)に放火してしまった青年(阿國)と、捜査中に相棒を死なせてしまった刑事(阿義)、そして幼いころに家を出て行った先住民族出身の母親を探すために放浪中の女性(阿妹)の3人が、自転車で蘇花公路を一路南下していくというロードムービー


……というとおもしろそうですよねえ。


なんだけど、今ひとつでした。
話自体は悪くないし、役者もそう悪いわけではないと思うのだけども、もう少し突っ込めばいいのにエピソードが多すぎて全部さらっと終わっていく感じ。一応つじつまはあっているのだけど。
途中で、喘息の持病をもっていて医者には旅行を禁じられているのだけど、自分を見つめなおすために自転車で旅行している、中国語勉強中のジュリアというカナダ人女性というのが出てきて、優柔不断で何事にも悲観的な阿義にポジティブ・シンキングを伝授して去っていくのだけど、ジュリアがいきなり崖から落ちて死んでしまい、しかもデジカメに残っていた画像から3人が唐突に警察に追われる身となってしまうあたりから、転がり落ちるようにエンディングまで行ってしまう。ジュリアと阿義の交流まではわりとよかったんだけど、そこから急に終わらせてしまった感じ。中途半端な3人が、自転車での旅を通じて変容していくというのがテーマじゃなかったのか?結局、なぜか男性二人だけが警察につかまり、阿國は服役して真人間になりました、みたいなエンディングで、それってどうよ。という気分になってしまいました。


終わってみたら80分くらいの映画で、だったらあと30分使ってもっと掘り下げればよかったんじゃないのかなあ。もったいない。でも、蘇花公路の風景はものすごく美しかった。海がすごい色で。最近って、本当に東部がはやってるんだなあということはよくわかりました。