晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

色にまつわる思い出など

それにしても、赤だ。自分がこんなに赤いものを買うようになるとは、若い頃には思ってもいなかったことだ。


私は二人姉妹の長女なのだけど、うちの母は私たちが小さい頃、よくおそろいのものを買ってきた。ハンカチとか、靴とか、ブラウスとか。ただし、必ず妹は赤かピンク系、そして私はブルー系。大きさではなく色で見分けていたようだ。ブルーは私も好きな色だったので特に不満はなかったが、たまにデザインのせいかピンクの方がかわいいものもあったりして、そちらを欲しがると「あんたはお姉ちゃんなんだから青」という、その「だから」の意味は?というようなことを母によく言われた。


20代の頃、ある日母から電話があり、「あのねえ、お母さんの職場でねえ、社員がみんな宝石を売ることになってね。ノルマがあるのよ。でもお友達に売りつけるのも気が引けるから、あんたたちに指輪を買うことにしたから。届いたらそっちに宅急便で送るわ」という。いや、それはありがたいんだけど、「指輪って何の石?」「サファイア。嫌いだった?」「いや別に。ありがと」
で、後日宅急便で指輪が届いた。真ん中に楕円形のサファイア、その周りに本当に小さなダイヤが花びらのように飾ってある花の形のデザイン。それを見ていて、ふと疑問に思い、妹に電話してみる。
「ねえ、あんたのとこにお母さんから指輪来た?」「来たよ」「あたしサファイアだったんだけど、あんた何だった?」


「ルビー」


そして我々姉妹は二人して、「こんなに大きくなってもお姉ちゃんは青で妹は赤なんだねえ」と笑い合ったのであった。後から二人で持ち寄ってみたところ、そっくり同じデザインで青い石と赤い石なのであった。


それにしても、昔は赤いモノなど身につけなかったものだけども、今通勤バッグの中をのぞいてみると、赤いモノばっかり。システム手帳、お財布、定期入れ、そしてiPod nano
……年を取ったからなのかなあ。いや、青もいまだに大好きな色ではあるのだけども。