ナイロン100℃「犬は鎖につなぐべからず」@青山円形劇場
今回は岸田國士の脚本をベースにした和装もの(ってナイロンのホームページに書いてあった)。
岸田國士って、実はよく知らなかったりします。知っていることとすれば、「岸田國士戯曲賞」というものがあること、あと岸田今日子と岸田衿子のお父さん、ってことでしょうか。劇作家ですね。
彼の書いた一幕劇を7本組み合わせたのがこの作品です。ある一つの町を舞台にしてその町に住むいろいろな住人の物語。意外とおもしろかった。長かったけど、前回の「ナイスエイジ」ほどは長さを感じませんでした。
松永玲子と村岡希美のツートップ女優がとにかくおかしかった。村岡希美の、一見、変なことなんか全然しませんわ、と見えてなんかヘン、ってあの感じをもつ女優さんってあんまり見ない。底意地の悪さと心根のまっすぐさが同居している感じで、そこがおもしろい。
緒川たまきが「昭和の奥さん」って雰囲気がよく出ていてちょっとびっくり。遠目に見ると滝川クリステルのようだった(笑)。
そしてうちの夫婦が大好きな、植本潤@花組芝居も出演。お花の先生の役は、ちょっとデフォルメしすぎだろーとも思えますが、天然で意地悪というあの役にはよくあっていた。そして、鬱屈した中年男!かつらをかぶっていたせいか、クレジット出るまであれが彼だとは全然わからなかった。いや、これまでもハムレットだの、暴走列車の運転席に閉じ込められる小学生(「止まれない12人」)だの見てきましたが、役者だねえ。化けるねえ。気持ちいいねえ。ものすごくひねくれた、妻を深く愛する中年男、よかったです。
- 追記:読売新聞5/23日夕刊に劇評が出ていました。