晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

李立群2本立て!?「光陰的故事」「恐怖分子」

東京国際映画祭1日目。

私にとってのオープニングフィルムは「光陰的故事」。楊徳昌監督追悼特集の1本。
上映に先立ち、今年から交代した「アジアの風」部門プログラミングディレクターの石坂氏からご挨拶。このあたり、交代したんだなあと感じさせる。前任の暉峻氏はこういう時に人前でしゃべったり絶対になさらないから(笑)。台北駐日経済文化代表処の許世楷駐日代表のご挨拶もあり、それもちょっと驚く。TIFFはなんとなく大陸寄りになっているような気がしていたので。勝手な憶測ではあるけど。


さて、「光陰的故事」。1997年に三百人劇場であった「台湾映画祭」で観ていたけど、すっかり忘れていたことがわかりました。オムニバスの最終話は李立群とシルビア・チャンが夫婦で、李立群が裸で家の外に閉め出される話、とういのは覚えていたのだけど、3話オムニバスだと思い込んでおり、3話目が始まったとき「あれ?」とちょっとびっくり。その後、ちゃんと二人の話が始まったのでよかったけど、つまり4話オムニバスだということを忘れていたのだな。


「光陰的故事」の後は「恐怖分子」。ちょうど李立群出演ものを2本続けて観ることになった。
李立群、金士傑、顧寶明、かつて表演工作坊の中心俳優だった彼らの芝居を、楊徳昌の映画の中で観られる、というのはなんとも贅沢な話ではある。


「恐怖分子」は2007年の今観ても、決して古くない映画であったことに少し驚いた。小道具などにはもちろん年代を感じるのだけど(金士傑のオフィスにあるコードレスホンの大きさは時代を感じさせる)、ストーリーは古さを感じなかった。人間関係や夫婦のあり方は、公開当時と大して変わっていないということか。


李立群がどんどん狂気に走っていく姿は目に表れていて、遠目に見ると特におかしくなくても顔のアップになるとどんどん目の表情がおかしくなっていくのが怖かった。
最近、李立群をスクリーンで観ることがあまりないのは、ちょっとさびしい。