晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

「九月に降る風」

若さはまぶしい。高校生たちを見ると、あの年頃のときにもっといろいろな経験をしていたら、また別の人生だったのかなーなどと思うときがある。
だからといって、あの頃に戻りたいかというと、もう戻りたくはない。
なぜって、十代の10年間は苦しかったから。自分で自分をコントロールできなくて、心の中にものすごい猛獣を飼っているようで、自分がどんな言動をするのか自分でも予想がつかなくて、自分で自分に振り回されていた。理想と現実の折り合いのつけ方がわからなくて、荒れ狂っていたように思う。
どんな自分でも自分は自分で、死ぬまでつきあっていくのだと、ある時スコンと腑に落ちるまで、毎日つらかったのを思い出す。
楽しいこともたくさんあったけど、若さゆえにつらかったのも十代の思い出だ。


というような自分の過去を、つらつらと思い出させた「九月に降る風」。
出てくる子たちみんなに、なんだか思い当たるふしがある。自分だったり、友達のことだったり。
大人にかくれて馬鹿みたいなことばかりしていたり、暇さえあれば友達とつるんでだらだらと過ごしたり。
十代って、お金はないけど時間はいくらでもあった気がする。放課後の数時間がとてもとても長くて、楽しい時間だった。
そんな昔を思い出してしまう時間でした。
しかし、10年前の台湾の高校生は、あんなにぱかぱかタバコを吸っていたのか(笑)。ビールもコーラみたいに飲んでるしね。


ところで、プログラムを読んでいてちょっとびっくりしたのが、この映画を見た中国大陸や香港の人は「台湾人は卒業式に泣くんですか?」と聞くのだそうだ。竹東高中の卒業式(どうも実際の卒業式っぽい)のシーンで、卒業生らしき女の子がハンカチで涙をぬぐっている場面が確かにあって、見たときはなんとも思っていなかったのだけども、……大陸や香港の人は泣かないのね。なるほど。なんだろう、このメンタリティの違い。