晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

演劇集団キャラメルボックス「バイ・バイ・ブラックバード」

あちこちから「よかったー」の声が多かった、「バイ・バイ・ブラックバード」。新作。サンシャイン劇場にてソワレ。


なぞの病気「コスタ症候群」の後遺症の記憶障害のため、実年齢は27歳ながら最後の記憶は16歳、というナツカは学校に行くことになる。そこには同じようにコスタ症候群の後遺症で16歳までの記憶しかないクラスメートたちがいた。コスタ症候群による記憶障害が治る確率は0.1%。担任教師は過去を思い出そうとするな、今を生きろというが、ナツカたちは失われた記憶を求めて動き始める……。


久しぶりに、キャラメルボックスのマスターピースとなりそうな気がします。今後、いろいろな配役で何度も演じられるものになるんじゃないだろか。
たった一つのメッセージを訴えるのではなく、人によっていろいろな見方ができる芝居です。うちの旦那さんは今回2回目でしたが、一度話がわかった状態でもう一度視点を変えてみて、おもしろかったと言っていました。確かに、もう一回観たくなりますな。


今回は、キャラメルにしてはシンプルな舞台で、より役者の演技が強調されていたのも新鮮な印象でした。音楽もいつものように使われてはいるけど、いつもより音楽のないシーンが多かったような印象。そのせいでよけいに使われる音楽が生きてくるというか。音のないシーンが、記憶をなくした悲しみをより強く印象付けているような。


實川+大内は「ハックルベリーにさよならを」で兄弟だったコンビですが、今回は(以下ネタバレになるので省略)。あつをさんは「態度が冷たいのに気持ちは熱い、誰かを支える男」をやらせるとほんっとにいいですよねー。それにしてもあつをさん、髪伸びすぎ。ひょっとして次回作の龍馬は自毛でおやりになるおつもりですね?


有馬自由さん、よかったなー。実年齢は50前のおっさんなのに、中身は16歳。しゃべり方や立ち居振る舞いと見てくれがあってない人。


誰もが記憶を取り戻せない、それでももう一度回りの人との関係を再生して生きていく。人間は力強い生き物だと思わせてくれる2時間でした。


ところで、東京公演中に読売新聞が劇評を出したのだが、それが「おいおい、それ書いちゃだめでしょー」な内容で、そのためにその日の夕刊は旦那さんによって隠されてしまいました(-_-;;) あとで見せてもらおうっと。