晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

「ふくすけ」

改装後のコクーンに行くのは初めて。「ふくすけ」@シアターコクーン

負のエネルギーに満ち満ちた祝祭的演劇。
という感じ。
自分が表層的な人間なんだなあと感じるのは、こういう芝居を観たときだ。
芝居でも演劇でもそうなんだろうけど、仕込まれたものにいくつ気がつくか、多ければ多いほどわくわくして楽しいものなんだと思う。そして、自分はそういうのに気がつけないんだなあ、底が浅いんだなあと思わせられるんですよ、松尾スズキKERAさんの芝居は。
前半、ついていけなくて休憩前の10分くらい、意識がなくなってました。


気を取り直して後半。
後半は前半で張り巡らせた糸が立ち上がってきて、ストーリーが怒涛の勢いで進んでいくので、寝ている暇がない。観たくないのに観ずにはいられない、というような。
最初から通して何度も繰り返される「生まれてこなければよかった」という言葉がきつい。
誰が悪い、というのを決めるわけじゃないけど、自分じゃない何かに原因をおしつけずにはいられない。
で、最後には他力本願的に爆弾で〆る、と。
観終わって、しんどかったー。松尾スズキは、何度観てもわからん。でも彼は、人が簡単にわかるようなものを作る気はないんだろうから、それでいいんだと思う。
今回が再々演ということなので、たぶんこの物語には需要があるんだろう。

さて、いつものどうでもいい感想。

  • コクーン、改装して前よりもイスがよくなったかな?と思ったんだけど、やっぱり終演近くになるとお尻が痛いのだった。なんだろな、あれ。背もたれの問題?
  • 2階、3階のバルコニー席の後ろが立見席だったけど、結構な数の立ち見の人がいた。若い人が多かった気がする。ネットでの観劇記事を見ていると、多部ちゃんファンが多いからそっち方面?あと、「木更津キャッツアイ」から入って阿部サダヲファンになった元々はジャニーズファン、というクラスタもいるみたいです。
  • まあ、それもむべなるかなーと思わせる魅力がありますよね、阿部サダヲには。めっちゃ悪い人の汁を出しまくってるのに愛らしい、というか。なんですかね、あれ。
  • 大竹しのぶは、やっぱすごい女優だよなー……。としか言えん。息をするように悪態をつく姿が芝居と思えないところがすごい。
  • そして古田新太。久しぶりにパンツ一丁の古田新太を観ましたが、パンツ一丁なのに全然やらしくない古田新太、ってある意味すごかった。なんですか、あの地味な人……。抽斗持ちすぎだろ。