城壁の町、恒春
鵞鑾鼻散歩にもちょっと疲れたので、公園入口にあるカフェで一休みした後、今度こそバスで恒春に向かう。ここはガイドブックなどにも「古い城壁の残る町」として紹介されているので、行ってみたかったのだ。
墾丁とは海沿いの隣町、という感じ。バスの運転手さんは交通量が少ないのをいいことにかっとばしていくので、10分もすると恒春の町並みが見えてくるのであった。
ちょうど学生さんたちの放課の時間にあたったらしく、町は学生さんだらけ。そしてこの町の女子生徒は美白とは無縁、というか、非常によく焼けていました(*^-^*)
この門は墾丁寄りの町の入口にあたります。この門の周りはロータリーになっていて、バスはこの南門をぐるりと回ってバスターミナルへと向かいます。
この町にはいまでも東西南北に門が残っています。ただ、城壁はあまり残っていないみたいです。ぐるっと一周したわけではないですが、残っているところとそうでないところが見受けられました。
ところで、恆春にも老街があるのです。
老街というのは台湾の古い町並みのことですが、私はこの老街歩きが好き。日本でもちょっと昔の町並みを見るのが好きですが、台湾の老街は別の趣があって好きなのです。
恆春にも中山老街と言われる小さな老街がありました。
一見、ただの商店街のように見えるのですが、ここも老街。通りには台湾の建築様式の一つである亭仔脚のあとが残っています。
亭仔脚は、台湾の通りのあちこちに見られます。壁でつぶされていますが、ここは本来はアーケードのようになっていて、歩行者がここを通るのです。いきなり雨が降ってきても歩道が確保される、というわけですが、この通りはすでにこうやってつぶされて、店舗の一部あるいはガレージとして使われていました。
以前行ったことのある鹿港でも旗山でも見かけたことのある意匠。屋号や姓をこうして建物の一番上に装飾して出してあるのをよく見ます。「劉」ではなく「LIU」なのがおしゃれ。
町役場の近くの家の前に石敢當がありました。確かにこの家は三叉路に面していたから、あるのは当然か。沖縄ではよく「魔物は曲がれず直進して家に入ってきてしまうので、魔物が家に入ってこないように」置いてあると聞きますが、本来はこの写真のように「泰山石敢當」と書くのが正式なようです。泰山は中国大陸の霊山ですね。
路地を覗いてみたり、建物を見上げてみたりしているといろいろなおもしろいことのある町です。大変有名な名所旧跡があるわけではありませんが、生活の匂いがあって、普通に暮らしている人がたくさんいて、好きだなあこの町。