晴耕雨読日記(仮)

以前、はてなダイアリーで書いていた「晴耕雨読」の引っ越し先です。今の生活は全くもって「晴耕雨読」ではないので、タイトルは現在思案中。

「駱駝の祥子」

今まで観る機会を逸していた、「駱駝の祥子」(1982年)を続けて観る。
主演は張豊毅(「さらばわが愛 覇王別姫」「始皇帝暗殺」)、斯琴高娃。斯琴高娃というと日本での紹介は「『息子の告発』の」とか「『香魂女〜湖に生きる』の」、というのが多いのだが、私が初めて観た斯琴高娃は「フルムーン・イン・ニューヨーク」(1993年)なのであった。スタンリー・クワン監督、マギー・チャンシルビア・チャン、斯琴高娃が主演。香港と台湾と中国大陸から来た女性たちがひょんなことからニューヨークで知り合う話。斯琴高娃はアメリカになじめない、孤独な中国人女性という役で、控えめな印象だったのだが、その後「太陽の少年」などではたくましいおっかさんでした。


さてこの「駱駝の祥子」においては、「お虎」という名前のきっつい女性。名前もきついが性格もきつい。でも単純。すぐに情にほだされちゃう。いつも吼えてる、みたいな人。車屋の娘(お父さんが車引きに人力車を貸し出し、その賃借料を取り立てるのが彼女の仕事)で、張豊毅演じる祥子(シャンツ)はもともと彼女の家の車引きだったのだが、学者先生のおうちの車引き(今で言うところのお抱え運転手)になる。住み込みで働いている彼をある日お虎が訪ねてくるのだが、とりついでくれたおばちゃんが「大きくてコワイおねえさんだよ」と言ったのには笑った。まさに大きくて、こわい。いろんな意味で。
二人はその後結婚して長屋に住むようになるのだが、同じ長屋に住んでいる小福といういかにも幸薄そーな女性がいて、これが斯琴高娃と正反対と言ってもよい印象。いろいろあって祥子はこの二人とも失って失意のうちに映画は終わるのであった。コレで終わるのー!? ……ってたぶん老舎先生の原作はそうなんですよね。岩波文庫にあるんだから読みなさい>自分